キボリコキボリオレコード007
interlude for white and the blank (for cello alone)
二子玉川に五十嵐あさかさんのチェロを聴きに行った時、熊を見た。都内で熊を見たのは2度目だった。1度目は奥多摩の山奥、目が合った瞬間、互いに動けなくなって静かにその場を去ったものだった。二子玉の熊は笛を吹いた。
否、むしろ熊殺し。笛からでる小さな礫で強大な熊を一撃でしとめる。
そうして村の者達を救った男は再び山の中へと消えて行き、そして伝説となった。その伝説は青森県の一部で今でも語り継がれている。その男が山を下りた時、あるチェロ弾きを見た。一枚の絵を見た。という物語。
それから深い雪の中うずくまる獣。木と風。そして人間の足跡と、語られない物語。などが聴こえるかもしれない。熊殺しの異名を持ち、静かに哲学の谷に降りた音楽家のひとつの接点。
音楽:岩川光
チェロ:五十嵐あさか
絵、解説:高瀬きぼりお
¥500
自宅録音の為ノイズが聞こえる事があります
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